令和8年度伊勢神宮・熱田神宮献糸のための繭が出来上がりました(いなぶまゆっこクラブ)

目次

桑畑整備

蚕を飼育するには、蚕の餌となる桑を確保しなければなりません。
いなぶまゆっこクラブでは、約500本の桑を3箇所の桑畑に分けて整備しています。

定期的に桑畑の草刈り作業
毎年春先の耕耘、施肥を行います

お蚕さんの飼育

1掃立(はきたて)

今年で145年目となる伊勢神宮の神御衣祭(かんみそさい)のための生糸の献納と、令和元年度から始まった熱田神宮の御衣祭(おんぞさい)のための生糸の献納に向けて、いなぶまゆっこクラブは、5月19日に令和8年度の掃立(はきたて)を行いました。
今年度は約10000粒の蚕種を仕入れて、まゆっこセンターと小井沢養蚕事務所で約1か月間飼育しました。

掃立は、孵化した蟻蚕(ぎさん。アリのように見える生まれたばかりの蚕のこと)を飼料とともに蚕座に移し、飼育を開始する作業です。
生まれたばかりのお蚕さんは、体長がわずか1mm~2mm程度です。

生まれたての蚕は横の羽ぼうきで優しく掃き下ろす
3令までの蚕は人工飼料(緑色のもの)で育てます

2人工飼料や桑の葉を与えて、お蚕さんを育てる

お蚕さんは、掃立からの1か月間、4回の脱皮以外の時間は、ずっとご飯を食べ続けます。

生まれて1か月後の体重はおよそ1万倍になります。

生まれて1週間後の蚕(約1cm)
生まれた時から1万倍の体重になった5齢蚕(約8cm)
給桑作業
飼育現場の作業風景

3上蔟(じょうぞく)

上蔟は、熟蚕(じゅくさん。繭を作り始める蚕)を集めて、営繭(えいけん。蚕が繭を作ること)させる回転蔟(かいてんぞく)に移す一連の作業のことです。

蚕は繭を作るための良い場所を探すときに、上へ上へと登る習性があります。回転蔟は、蚕が上に登ってきて上部が重くなると、自然と回転して上部と下部が入れ替わって、蚕がまた良い場所を見つけることができるようになります。

上蔟中の蚕
吊るした回転蔟

4収繭(しゅうけん)

蔟から繭を取り出す作業です。この時に、毛羽取り作業も行います。

収穫後の蔟の山
自動毛羽取り機を使って収繭する様子

5選繭(せんけん)

約5日間の殺蛹作業の後、乾燥された繭の選別作業を行います。
少しでも汚れがあると、その繭は生糸にすることができません。選繭は、生糸にできない繭を取り除く作業です。この時に取り除かれた繭は、繭花や繭細工などに活用します。

乾燥された繭を選別する作業
選別後の純白の繭

毎年恒例の稲武小学校2年生の蚕の飼育体験

地元の豊田市立稲武小学校2年生の皆さんには、毎年、お蚕さんの飼育体験をしてもらっています。

5月19日の掃立の日に、まゆっこセンターまで来て、実際に生まれたばかりのお蚕さんを見学しました。
1人ずつ自分の蚕を大事に箱に入れて、学校に持ち帰りました。

蚕の飼育方法や注意点などを紙芝居で教えて、いなぶまゆっこクラブ代表古橋幹雄さんと一般財団法人古橋会の古橋真人常務理事が、質問にお答えしました。

生まれた直後の蚕を観察している小学生たち
紙芝居で蚕の育て方を楽しく学ぶ小学生たち

6月12日に養蚕事務所で、大きくなった蚕の見学や餌やりを体験しました。

養蚕キット付きの飼育体験ができる「いなぶシルクファンクラブ」を今年も!

養蚕キット
参加者自身で蚕を選んでいただきます

令和7年度から始まった「いなぶシルクファンクラブ」は、令和8年度も引き続き実施しています。
この組織は、豊田市役所稲武支所が事務局となって、稲武地区に限らず、豊田市内外の一般市民や企業の方に会員(年会費3000円~)になっていただき、1人あたり50頭の蚕の飼育体験をしてもらいながら、いなぶシルクのファンになっていただく取り組みです。
今年度は昨年度の約2倍となる、約40名の方にご参加いただいています。

参加者は専用のLINEオープンチャットにご参加いただきます。
飼育をするときの疑問点や、蚕の様子を随時やり取りできる楽しいコミュニティになっています。

(参考)豊田市役所報道発表資料 家庭で育てた繭が伊勢神宮へ 繭の回収及び繭ランタンワークショップを実施します
https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1067065/1067889.html

6月6日~8日にファンクラブ会員お一人ずつに、いなぶまゆっこクラブが4齢まで育てた蚕50頭と養蚕キットをお渡ししました。桑の葉が手に入らない方は、人工飼料もオプションで付けることができます。

7月4日、ファンクラブ会員から、繭を回収しました。繭は冷凍していただいています。
当日、希望者はご自分が育てた繭を使って、シルクランタン作りも体験しました。

ファンクラブの皆さんが育てた繭
自分が育てた繭を使ったシルクランタン作り体験

いなぶシルクファンクラブの皆さんが育ててくださった繭は、伊勢神宮や熱田神宮への献糸にも活用させていただきます。

「いなぶシルクファンクラブ」は仲間を随時募集中ですが、稲武の養蚕は「春繭」の時期のみとなります。
ご興味がある方はまずは豊田市役所稲武支所 養蚕担当までお問い合わせください(0565-82-2511)

蚕の飼育自由参観日

2026年6月13日(土)の午前に、蚕の飼育自由参観日を開催いたしました。

当日は約30名の方にご来場いただき、会場はお蚕さんとのふれあいを楽しむ皆さまの笑顔でにぎわいました。
初めてお蚕さんに触れる方、昔の養蚕の思い出を懐かしそうにお話しされる方、ご家族で興味深く観察される方など、それぞれの形で楽しんでいただくことができました。

また、当日その場で「いなぶシルクファンクラブ」への入会を希望される方も2名おられ、いなぶシルクへの関心の広がりを感じる機会となりました。

参加者の皆さまからは、温かいご感想も多くいただきました。
ご参加いただき、誠にありがとうございました。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

私たちは、300年以上の歴史がある豪農古橋家の歴史と家訓「家は徳に栄える」を受け継ぐ財団法人です。
私たちは、豪農旧家、中山間地域、歴史や伝統文化など、古めかしくて時代遅れとみなされたものを、現代においても通用する形に磨き上げて、人と人との繋がりが人を支え、人間性に根ざした、与え合う社会の実現に貢献していきます。

目次