豊田国際紙フォーラムのオープニング映像作品を小川珊鶴様が「小原和紙×稲武シルク」コラボプロデュースされました
豊田国際紙フォーラム 歓迎アトラクション「御生れ MIARE」
小原和紙と稲武シルクの出会い
稲武地区(現愛知県豊田市)では、明治15年(1882)から始まった毎年の伊勢神宮への生糸の奉納や、大嘗祭(だいじょうさい)の繒服(にぎたえ。絹織物のこと)の調進など、全国トップブランドと言える伝統文化が今なお続いています。
令和2年度から「稲武地区養蚕・製糸伝統文化伝承事業実行委員会」が地域に発足して、トヨタ自動車様に古来の糸取り道具(足踏み式座繰り機)の復元をしていただくなど、稲武の養蚕製糸の伝統文化を継承していくための活動を行っています。
この度、豊田市小原和紙のふるさとなどを中心に、国際的な紙フォーラムが開催されるにあたり、稲武地区養蚕・製糸伝統文化伝承事業実行委員会とのコラボレーションを行うことになりました。
映像作品ができるまで
繭の準備
いなぶまゆっこクラブが今年生産した稲武の繭(伊勢神宮や熱田神宮に奉納する生糸のための繭と同じもの)を含む、2500個以上の繭を準備しました。
サナギを丁寧に取り出し、繭のフタを再度かぶせるようにして、穴が空いて見えないようにしました。
映像総合プロデュース、作品制作、出演:小川珊鶴(おがわさんかく)
1959年名古屋市生まれ。名古屋芸術大学美術学部日本画科卒業。「平成芸術花院」主宰。名古屋市民芸術祭で特別賞受賞。『家庭画報』『和楽』等の雑誌掲載や各界のアーティストとのコラボレーションなど多数。
伝統文化を継承することの意義を伝えようと国内外多方面で活躍中。2017年より稲武に移住し、「いなぶの里五節供プロジェクト」創設。世界最大の生け花そして、世界一の帯コレクションでギネス記録認定。
映像監督:浮辺奈生子
写真家、グラフィックデザイナー、アートディレクター。
西川流家元の西川千雅様の奥様。
豊田国際紙フォーラムのご案内
2021年9月7日からPAPER TOYOTA 豊田国際紙フォーラムが始まっています。
豊田市内の各地( 豊田市小原和紙のふるさと 、豊田市民芸館、豊田市民ギャラリー、喜楽亭など)にて9月7日より10月17日まで、世界中から集まったペーパーアート作品や小原和紙工芸作品が、それぞれの施設で展開されています。
開催趣旨(公式HPより)
古来より日本では養蚕が盛んに行われ、農家の屋根裏部屋で蚕を育て絹織物を作る文化がありました。そのような背景の中、今から約100年前、豊田佐吉氏が、母親の仕事の労を少しでも減らしたいという思いから、自動による織機を発明。その機械の販売を行う会社を設立しました。その精神を受け継ぎ、佐吉氏の息子、喜一郎氏が自動車産業を興しました。
その会社の名前が豊田市の名の由来です。
一方、豊田市の山間部・小原地区では、古来より和紙の生産が盛んに行われてきました。その和紙の質の良さを知った芸術家・藤井達吉氏が、今から約80年前、小原地区に芸術村を開村。当時、障子や傘などの生活用に使われる和紙を生産していた中、「これからはただ和紙を作っているだけではだめだ」「日本の工芸技術を駆使し世界に誇れる産業とし、子孫繁栄の礎を築くのだ」と、村人たちを鼓舞し、小原に芸術の息吹を与えました。今日に至り、その精神は受け継がれ、現世代、様々な形で新たな繁栄をもたらしていこうとしています。
豊田市に花開いたこれらの先人の“ものづくり”の精神は、自然からものを作り出すという共通の要素をベースに育まれて来ました。
私たちは今、未来に向けてどのようなものづくりを行なってゆけばよいのでしょうか?
紙という、人類が自然から作り出した、革新的な発明品を通して、ものづくりへのアプローチを、今一度問い直そうというのが、豊田国際紙フォーラムのテーマです。