141年目の伊勢神宮への神御衣(かんみそ)御料糸(ごりょうし)の献納

令和4年11月4日(金)豊田市稲武献糸会(事務局:一般財団法人古橋会)は、141年目の伊勢神宮献糸(けんし)を行いました。
明治15年(1882)に始まった、愛知県豊田市稲武地域(旧稲武町)から伊勢神宮への神御衣御料糸(祭祀に供えられる織物のための生糸)の献納は、本年で141年目になります。
献納した糸は、いなぶまゆっこクラブが自分たちで育てた春繭を原材料として、足踏み式座繰り機で糸取りした純国産生糸です。

70~80度のお湯で糸取り作業を行う
トヨタ自動車様に制作していただいた足踏み式座繰り機
10月1日に地元の稲橋八幡神社にて生糸の清祓をしていただきます
目次

早朝に稲武から出発

午前6時20分に、豊田市稲武献糸会関係者が古橋懐古館の駐車場に集合し、マイクロバスで伊勢神宮に向けて出発しました。
この時期は大井平公園の紅葉がとてもきれいです。

令和4年度141年目献納用生糸
  • いなぶもみじ祭りのお知らせ(いなぶ観光協会)

伊勢神宮内宮宇治橋前に到着

午前9時30分に豊田市稲武献糸会の法被を着て記念撮影を行いました。
神宮司庁の職員の方に案内していただき、生糸が収められた木箱を持って宇治橋を渡り、神宮司庁に向かいました。

宇治橋を渡る様子
神宮司庁前

厳かな献納式を経て、生糸は神御衣祭(かんみそさい)へ

神宮司庁での献納式では、調度部長に生糸をお渡しし、神宮からは生糸の受領証や記念品をいただきました。
なお、毎年豊田市稲武献糸会が奉納する生糸は、松阪市にある神服部機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)にて和妙(にぎたえ)という絹織物に織られて、伊勢神宮にて毎年5月14日に行われる 神御衣祭(かんみそさい) に供えられます。

今年は、花道家の小川珊鶴様もご同行しています。

御垣内参拝

続いて、五十鈴川でお清めをしてから、内宮御垣内参拝を行いました。

通常の一般参拝では、外玉垣の外側から参拝します。
御垣内参拝では、外玉垣の内側に入って参拝することになります。

「板垣南御門」を入り御正殿を正面に見て左手側にある「南宿衛屋」で手荷物を預け、お祓いをいただいた後、外玉垣の内側に入りました。
献糸会長が中重鳥居の前に立ち、他の献糸会員が二列に並んで、参拝を行いました。

御神楽と昼食

神楽殿にて御神楽を奉納して、お昼ごはんは参集殿にて神宮会館のお弁当をいただきました。
食事の後は、午後1時30分まで、神宮やおかげ横丁の自由散策時間です。

神楽殿
神宮会館幕ノ内弁当

神宮徴古館・神宮美術館拝観を経て帰路へ

9月13日から11月9日まで、特別展「生きる正倉院-伊勢神宮と正倉院が紡ぐもの-」が開催されています。神宮式年遷宮の際に作り替えられる神宝と正倉院事務所による正倉院再現模造品が一同に介して展示されています。

神宮司庁の職員の方のご好意により、神宮徴古館と神宮美術館をご案内いただきました。
絹製の装束以外にも、楽器の弦や剣の装飾にも絹は使われており、絹の貴重さや表現の多様さを改めて実感しました。

稲武に帰って来たのは午後6時ごろでした。
今年も生糸を無事に奉納することができ、伊勢神宮の皆様、また献糸会の皆様ありがとうございました。

また、繭や生糸を生産したいなぶまゆっこクラブの皆様、一年間ご苦労さまでした。
今年のいなぶまゆっこクラブの活動は以下の記事をご覧ください。

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この記事を書いた人

私たちは、300年以上の歴史がある豪農古橋家の歴史と家訓「家は徳に栄える」を受け継ぐ財団法人です。
私たちは、豪農旧家、中山間地域、歴史や伝統文化など、古めかしくて時代遅れとみなされたものを、現代においても通用する形に磨き上げて、人と人との繋がりが人を支え、人間性に根ざした、与え合う社会の実現に貢献していきます。

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