(11月4日)「糸取り&シルクランタン手作り体験」と「古橋懐古館限定公開」をしました

目次

糸取り&シルクランタン手作り体験

JAあいち豊田さんのこだわりの旬の農産物と日々を彩る体験ネット販売サイト『MEKIKI』とコラボレーションして、10組20名限定で「糸取り&シルクランタン手作り体験」を開催いたしました。

「糸取り体験」は、足踏み式座繰り機による生糸づくりを体験していただきました。
「シルクランタン手作り体験」は、繭から生糸を取り出して、オリジナルランタンを作っていただきました。

参加者からは、貴重な経験でした、初めて知ることばかりでした、と喜びの声が多く寄せられ、高い評価をいただきました。

JAあいち豊田さんのニューストピック

古橋懐古館の限定公開「にぎたえの里のお祝い」

「糸取り&シルクランタン手作り体験」を開催する11月4日(土)の午後は、普段は無期限休館としている古橋懐古館を特別に公開いたしました。

「にぎたえの里のお祝い」への思い

稲武では明治15年(1882年)から毎年、伊勢神宮の神御衣祭(かんみそさい)に奉納される和妙(にぎたえ、絹織物のこと)の原料となる生糸を献納してきました。そして令和元年度からは、熱田神宮の御衣祭(おんぞさい)にも和妙(にぎたえ)の原料である生糸も献納し始めました。

また、皇室で最も重要な祭祀である大嘗祭(だいじょうさい、天皇陛下の代替わり後に最初に行われる新嘗祭のこと)では、稲武から繒服(にぎたえ、絹織物のこと)を調進しています。

この背景には、平安時代の古書(延喜式など)に記された、重要な祭祀には三河産の生糸を用いるべきだという記述があります。稲武は「にぎたえの里」と言えるのです。今回は、その「にぎたえの里」の祝事をテーマに、繭でアレンジした作品を、お祝いの着物や道具と共に展示しました。

主な展示作品

蓬莱

蓬莱は古代中国の伝説上の仙境で、不老不死の薬があるとされる三神山の一つです。『史記』には、白い鳥や獣、黄金の宮殿があると記述され、海中に存在し近づく者を追い返す大風が吹くとも言われます。日本にも伝わり、『竹取物語』などに影響を与え、美術や工芸品に吉祥のモチーフとして取り入れられました。特に婚礼装飾の「奈良蓬莱」は子孫繁栄や偕老同穴を祈る象徴とされています。

古橋家の文書には、古橋家6代目暉皃(てるのり)の娘・志奈の婚礼の「献立帳」に「嫁部屋 引渡し三宝 蓬莱 御銚子 盃」との記載が見られます。今回制作した作品は、「奈良蓬莱」をモチーフにしており、蓬莱山を亀の背に見立て、鶴亀、松竹梅、橘花、椿などを繭で飾ったものです。

蓬莱

肴台三種

婚礼飾りとして用いられる肴台(さかなだい)三種も繭作品などでアレンジしたものです。
婿の前に置かれた「押台」(おさえだい)は、稲穂と河骨(こうほね)、そして夫婦の和合を象徴する鶺鴒(せきれい)で飾られています。
嫁の前に置かれた「富貴台」は、蕗やツワブキを盛りつけています。
また、嫁を迎える役目の待女臈(まちじょろう)の前に置かれた「控台」(ひかえだい) は、あやめや沢瀉(おもだか)で飾られています。

押台
冨貴台
控台

蛤形肴入れ

祝い膳に用いる漆器で、肴の盛り合わせに活用されます。縁起の良い伊勢海老を装飾に加えています。
蛤は、二つの殻がぴったりと合うものが他には存在しないことから、一夫一妻の貞節を象徴し、結婚式などのお祝い事に好んで使用されます。また、お嫁入り道具としても重宝されます。

柄鏡

鏡に柄をつけたもので、ガラスの鏡が普及するまで女性の化粧用具として用いられました。
江戸時代にはこの柄鏡が主流で、婚礼道具の一つとして、鏡面に鶴亀、松竹梅、高砂などの図柄が多く見られます。

その他の主な展示作品は以下の通りです。

  • 古橋家で代々着用した着物
  • 食籠(じきろう)
  • 銚子
  • 祝樽
  • 硯蓋(すずりふた)
  • 赤地金蒔絵盃
  • 梶川蒔絵三ツ組盃
  • 蒔絵二ツ組盃
  • 鶴蒔絵文庫(手芸用品入り)
  • 鶴蒔絵脚付盆

フォーレエソレイユ「和でつむぐ豊穣の風光」展示

懐古館の限定公開とともに、2023年のとよたデカスプロジェクトに採択された「和でつむぐ豊穣の風光」(フォーレエソレイユ)による展示「風光-かざひかり-」も開催いたしました。
懐古館展示室の特性から素材や内容を考えた和の空間を演出されました。

詳細は、フォーレエソレイユのインスタグラム@fuore_e_soreiyuなどでもご覽になれます。

開催の詳細情報

糸取り&シルクランタン手作り体験
日時2023年11月4日(土) 14:00~16:00
場所古橋懐古館付近の繰糸舎(のぼり旗が目印です)
愛知県豊田市稲武町タヒラ8-1
※古橋懐古館の駐車場をご利用ください。
※詳しいアクセスはこちらへ
参加費・申込み【10組20名限定】
https://mekiki-net.stores.jp/items/64a5209abe2d12002c482478
古橋懐古館の限定公開「にぎたえの里のお祝い」と「和でつむぐ豊穣の風光(フォーレエソレイユ)」
日時2023年11月4日(土) 13:00~16:30
場所古橋懐古館
愛知県豊田市稲武町タヒラ8-1
※古橋懐古館の駐車場をご利用ください。
※詳しいアクセスはこちらへ
参加費・申込み参加費無料で事前申込み不要です。
入退室も自由です。

メディア掲載

矢作新報 2023年11月24日付 3面掲載

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この記事を書いた人

私たちは、300年以上の歴史がある豪農古橋家の歴史と家訓「家は徳に栄える」を受け継ぐ財団法人です。
私たちは、豪農旧家、中山間地域、歴史や伝統文化など、古めかしくて時代遅れとみなされたものを、現代においても通用する形に磨き上げて、人と人との繋がりが人を支え、人間性に根ざした、与え合う社会の実現に貢献していきます。

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