シルクチョコレートで「まち守り」【辻口博啓様と稲武地区養蚕製糸文化伝承事業実行委員会】

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きっかけは、シルクの新しい可能性を学ぶ勉強会「稲武KAIKO学」

令和2年度から稲武地区養蚕・製糸文化伝承事業実行委員会(事務局:豊田市役所稲武支所。以下、実行委員会)が地域に発足しました。
稲武地区(現愛知県豊田市)の養蚕製糸の伝統文化を、稲武のまちを持続可能にする「まち守り」の視点で捉え、新しい産業を模索しつつも、地域住民から遊離したものにならないよう、地域の暮らし、自然との共生などまで見据えた、志の高い活動にしようとしています。

これまで実行委員会では、地元の保存団体「いなぶまゆっこクラブ」を支援したり、映画「時の絲ぐるま」の上映会を豊田市内の各地の交流館で開催したり、足踏み式座繰り機を復元したり、豊田国際紙フォーラムで映像作品を制作したり、愛知県立芸術大学と共同プロジェクトをしたり、各種イベントで普及活動を行ってきています。

「稲武KAIKO学」は、カイコやシルクの新しい可能性を学ぶべく、外部講師をお招きしてご講演いただき、地域住民や企業、研究機関、関連団体まで巻き込んで、自由闊達なディスカッションを行って、新しい活動が芽生えるきっかけになることを目的とした勉強会です。

これまでのKAIKO学は以下の通りです。

堤幸彦監督にパティシエ・ショコラティエの辻口博啓様をご紹介いただく

シルクフードとサステナビリティ【令和4年度第1回稲武KAIKO学】梶栗隆弘様(エリー株式会社)講演と堤幸彦監督パネルディスカッションにお越しいただいた映画監督・演出家の堤幸彦さんが、ドラマの撮影で辻口博啓さんにお会いした時に、稲武地区のシルクのプロジェクトを紹介してくださいました。

その後、東京都自由が丘にある辻口さんのお店に伺って、繭を食べられるように加工したシルクパウダーを味わっていただきました。
繭はタンパク質からできているため、分解するとアミノ酸になり、ダシや昆布のような旨味のある味になります。

辻口さんは、シルクを原料にしたスイーツは聞いたことがありませんでしたが、上質で豊かな味わいがあり、これならいけると感じていただけました。

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シルクパウダーは、シルクの力で、新しい未来を実現しよう!【令和4年度第3回稲武KAIKO学】山本登美恵様(富士凸版印刷株式会社)・後藤裕一様(株式会社大醐)講演にてご講演いただいた、富士凸版印刷の山本様に手配していただきました。

今回はプロジェクトのスケジュールの制約等から、稲武の繭をパウダーに使用することはできませんでした。

いなぶシルクチョコレートの試食会を開催

稲武のシルクの伝統文化を守り伝え、シルクの新しい需要・産業を創出して「まち守り」を実現していくために、辻口さんに試作していただいた「いなぶシルクチョコレート」を、100名のお客様に実際に試食していただいて、アンケート調査を実施しました。

この日は、WRC(FIA 世界ラリー選手権)が開催される日でもあり、また、あいにくの雨天となりましたが、実行委員会を中心に準備をして、報道関係の方々にもお越しいただきました。

司会進行は、ジェイアール名古屋タカシマヤの「アムール・デュ・ショコラ」を日本一のバレンタイン催事になるよう広報担当として貢献し、PRコンサルタントとして独立された現在も辻口さんと親交のある犬飼奈津子様に担当していただきました。

スクロールできます
いなぶシルクチョコレート試食会
日時2023年11月17日(金) 10時~11時
会場道の駅どんぐりの里いなぶ イベント広場
登壇者・パティシエ 辻口 博啓様(株式会社スーパースイーツ
・豊田市副市長 安田 明弘
・司会進行 犬飼 奈津子様(株式会社Wo-one
・実行委員会委員 古橋 真人(一般財団法人古橋会)
主催稲武地区養蚕・製糸文化伝承事業実行委員会

辻口さんによると、シルクパウダーのコクを活かしつつ、愛知県が特産のイチジクと合わせて、なめらかな口溶けがポイントとのことでした。
2024年のバレンタイン催事でも販売される予定とのことです。
是非ご賞味ください!

糸取り体験とインスタライブ

試食会の直後に、辻口さんのインスタアカウント(@htsujiguchi)から、インスタライブを生配信しました。

会場で豊田市副市長の安田さんに「いなぶシルクチョコレート」を食レポしていただいた後に、糸取り体験をしていただくため、一般財団法人古橋会の繰糸舎に移動しました。

犬飼さんにカメラを回していただきながら、辻口さんに足踏み式座繰機による繰糸(そうし)を体験していただきました。

なお、足踏み式座繰機は、繭から糸を繰る器具で、産業用途では明治中期頃まで使用されていました。
稲武地区では、毎年伊勢神宮や熱田神宮に奉納する生糸を生産するため、いなぶまゆっこクラブの皆さんが、今もこの足踏み式座繰機を使って生糸を生産しています。

日頃から日本各地の文化や食材を探求し、それを『スイーツ』という世界共通の『言葉』に翻訳して発信されている辻口さんは、初めてご覧になった繭を生糸にする工程に大変感銘を受けていらっしゃいました。

稲武地区は、明治15年(1882)から毎年伊勢神宮に生糸を奉納し、最盛期には400軒以上の養蚕農家があったにも関わらず、現在は養蚕農家はゼロ軒で、いなぶまゆっこクラブと一般財団法人古橋会でなんとか伝統文化を支えているという状況です。

辻口さんが手掛けるショコラトリー「LE CHOCOLAT DE H(ル ショコラ ドゥ アッシュ)」は、パリで開催される世界最大のチョコレートの祭典「SALON DU CHOCOLAT(サロン デュ ショコラ)」内の「C.C.C.(Club des Croqueurs de Chocolat (クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ)=ショコラ愛好家の会)」によるショコラ品評会にて、7年連続の最高評価「ゴールドタブレット(金賞)」を受賞されています。

例えば2023年は「琉球」をテーマとした4種類のボンボンショコラを出品され、コロナ前開催の2018年では米こうじや味噌、珠洲の塩などを使用したボンボンショコラを出品されています。

稲武シルクに心強いパートナーがまた一人加わりました!

堤幸彦監督にも「いなぶシルクチョコレート」を食べていただきました

名古屋大学の2023年度建築学総合セミナーに登壇された堤幸彦さんにも、辻口さんの「いなぶシルクチョコレート」を食べていただきました。

実はこのセミナーも、当実行委員会のアドバイザーである山出美弥様(名古屋大学大学院環境学研究科建築・環境デザイン座 助教)のご縁でした。

地域内外の住民や企業とともに、核となる求心力や魅力を磨きつつ、輪を広げていくことで、稲武シルクの伝統文化が将来にわたって継承していけるよう、これからも頑張っていきます!

メディア掲載

繊研新聞:養蚕文化を守るためシルクチョコ開発

繊研新聞 2023年11月22日付 1面掲載
https://senken.co.jp/
https://senken.co.jp/posts/inabu-silkchocolate-231122

朝日新聞:いなぶシルクチョコ 甘酸っぱさおいしい

朝日新聞 2023年11月18日付 朝刊三河版掲載

ひまわりネットワーク「とよたNOW」:「いなぶシルクチョコレート」の試食会を開催

とよたNOWニュース2023年11月20日(月曜日)

SNS

アムール・デュ・ショコラ2024 ジェイアール名古屋タカシマヤ

2024年1月24日から2月14日まで、ジェイアール名古屋タカシマヤで開催されている「2024アムール・デュ・ショコラ」にて、辻口さんのシルクチョコレートが『H CHOCOLATE WORLD(アッシュ チョコレート ワールド)』の「ジェイアール名古屋タカシマヤプレミアムボックス2024」の8粒の中の1粒に入っています。

辻口さんにサインしていただきました
右下のチョコレートがシルク入りです

『シルクが食べられる?!「いなぶシルクチョコレート」 が販売』CBCラジオ様「ドラ魂キング:レポドラ中継」で取材していただきました

レポートドライバーの上田知宙(ちひろ)さんが稲武まではるばるお越しになって、シルクチョコレートを取材していただきました。
2024年1月31日(水)の夕方のラジオ番組内で、生放送でご紹介していただきました。

「シルクが食べられる?!」という新鮮な驚きをうまく表現していただきました。

▼レポドラ日記にも、写真つきで紹介していただいています。

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この記事を書いた人

私たちは、300年以上の歴史がある豪農古橋家の歴史と家訓「家は徳に栄える」を受け継ぐ財団法人です。
私たちは、豪農旧家、中山間地域、歴史や伝統文化など、古めかしくて時代遅れとみなされたものを、現代においても通用する形に磨き上げて、人と人との繋がりが人を支え、人間性に根ざした、与え合う社会の実現に貢献していきます。

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